IoT

コネクティッド・ロック「TiNK」公開――アパマン連携で2021年までに100万台設置へ、メルチャリへの提供も

TiNKを持つTsumug代表取締役の牧田恵里氏

コネクティッド・ロック「TiNK」シリーズや関連サービスを手がけるtsumugは11月9日、シリーズ第1弾となるプロダクト「TiNK C」と「TiNK E」を発表、本日より発売すると発表した。

TiNK Cは住宅各戸の玄関ドアに設置するシリンダータイプ、もう一方の「TiNK E」は集合機に設置するタイプのコネクティッド・ロックだ。出荷は2018年の初頭を予定していて、それと同時に販売パートナーのアパマンショップホールディングスグループなどと連携し製品の普及を進める。

具体的には賃貸の空き物件への設置することで内見業務の効率化を始め、オーナーと入居者者双方へのサービス提供を推進し、2021年までに100 万世帯への設置を目指していく。

写真左が「TiNK C」、右が「TiNK E」

TiNK CはスマートフォンアプリのほかテンキーやNFCを活用して解錠でき、ワンタイムキーの発行機能やキーシェアリング機能、鍵を自動で施錠するオートセキュリティ機能などを備えて基本料金は月額500円。加えてオプションとして子供の帰宅を通知する機能や、独居老人の見守りサービスなども月額300円から提供する。

またLTE通信に対応しているため家やオフィスなどのインターネト環境に依存することがないのも特徴。今後はパートナーと連携したホームセキュリティサービスや宅配配達サービス、不在時の家事依頼サービスなどの展開も検討する。なお通信にはさくらインターネットが提供するIoT プラットフォーム「sakura.io」と、米afero(Androidの父・元Googleのアンディー・ルービン氏とスマホメーカー「Danger」を立ち上げたジョー・ブリット氏の会社だ)の提供する「afero」を採用しているという。

今回tsumugはTiNKシリーズの発表に合わせて新たに資金調達を行うことも明かした。金額など詳細は非公開だが、既存株主のiSGSインベストメントワークスに加えメルカリやシャープ、さくらインターネットらが新たに投資家として参加している(tsumugはシャープの量産アクセラレーションプログラムの第1号企業だ)。

メルカリが出資しているということが興味深いが、グループ会社のソウゾウが2018年初頭にサービス開始を予定しているシェアサイクル事業「メルチャリ」において、コネクティッド・ロックの共同開発などを行うとしている。

サンフランシスコの環境問題を解決するIoT技術とは?

テクノロジー都市として有名なサンフランシスコ。実は環境問題にも敏感な都市として世界的に知られている。2003年には「2020年までに埋め立てゴミを無くし、100%をリサイクルし堆肥化する」という「ゼロ・ウェイスト」目標を設定し、着々とその計画を進めてきた。 同市はこれまで、
  • 2006 - 発泡スチロール・ポリエチレンフォームの使用禁止
  • 2007 - 建設廃棄物のリサイクルを要求
  • 2009 - ドラッグストア、スーパーマーケットでのビニール袋の禁止
  • 2014 -  21オンス(621ml)以下の水のペットボトルの販売を禁止
するなど、政治的・経済的・教育的プログラムを実施し、廃棄物の80%を埋め立て地から転用することに成功している。 しかし、サンフランシスコはその目標達成に対し最後の難題に直面している。彼らが抱える問題とそれを解決するためにIoTを利用した取り組みを見ていく。 関連記事:スタートアップ育成のためにサンフランシスコ市が行なっている事

現在の廃棄物サイクル

現在サンフランシスコ市はリサイクル、堆肥化、埋め立てなどのゴミ収集を民間のRecology社とパートナーシップを組み、全てを担っている。 サイクルは主に以下の3つ
  • 青色のゴミ箱 - リサイクル
  • 黒色のゴミ箱 - 埋め立て
  • 緑色のゴミ箱 - 堆肥化
であり、ゴミを燃やす工場がなく、その他粗大ごみの回収に関してもRecology社が担当している。 2016年には、リサイクル施設の改善、新たなソート技術の導入に1160万ドル(約13億円)を費やし、1日あたり170トンのゴミを処理している。「ゼロ・ウェイスト」に向けて、市の動きはさらに強まっている。

廃棄物ゼロ意識の障壁

このような市の取り組みがあるにもかかわらず、肝心の埋め立てゴミは期待されていたほど減少していない。その背景には、サンフランシスコ市民が毎年約60万トンの廃棄物を埋め立て地に送り続けている問題があるのだ。そのため、2020年までに目標を達成するには当初の予想よりも困難とされている。 この数値をゼロに近づけるためには、消費者の意識を変える必要があり、そのためには教育と普及活動が重要であると考えられる。実際に消費者の行動研究では、居住者の行動が彼らの持っている知識レベルによって影響を受けることがわかっている。つまり、市民が廃棄物の発生と環境への影響の関係を理解することが重要になりそうだ。 残念なことに、アメリカ国内の消費者は、個人的にどれくらい廃棄物を排出して、そのうちどのくらいがリサイクル・堆肥として消費されているのか十分に理解していないようだ。Johns Hopkins Center for a Livable Futureによる研究では、アメリカ全土で消費者の食品廃棄物に対する意識について調査結果が出ている。それによると、食品廃棄物が重要な問題であると回答した割合が45%、購入した商品を少量しか廃棄していないと回答した割合は56%であった。しかし、実際には米国全体で40%の食料が浪費されているため、回答者の認識と現実の間に明確なギャップがあることが示されている。 このような事実から、サンフランシスコでは新しい技術を駆使して市民の意識を高め、教育的普及活動を行う戦略を並行して進める必要がある。IoTが持つデータ測定や分析技術は、上で挙げた消費者の認識と行動のギャップを埋め、彼らの意識を高めるために役立つと考えられる。

IoT : ゴミ箱のインターネット

実際にサンフランシスコ市民や民間企業の意識と実際の廃棄物量の隙間を埋めるために、まずは具体的なデータを彼らに明示する必要がある。リサイクルと堆肥化の割合と廃棄物の発生量を測定することで、市民や企業は捻出する廃棄物量をより深く理解し、行動の改善に繋げることができるからだ。 これによって、市民は食料品の買い物を最適化し、廃棄物の発生を減らしてお金を節約することが可能になる。一方、企業はデータ分析を活用してリサイクルと堆肥化を改善し、ゴミの回収コストを削減することができる。 このデータを記録して分析するために、IoTセンサーが必要になる。すでに、市内のゴミ箱にはセンサーが装備されており、この技術はサンフランシスコのスタートアップであるCompologyによって開発されている。 Compologyのセンサーは、1日に複数回ゴミ箱の内部を高解像度で撮影し、クラウドに送信する。これによって、運搬業者がゴミ箱の容量を監視し、トラックのルートやスケジュールを最適化して、必要に応じてゴミ収集が可能になる。この画像ベースの技術は、ゴミ箱内のリサイクル不可能なゴミの割合を見積もることによって、ゴミ箱内を分析することにも使用できる。 これらの技術は、レストランなどにも適用でき、食品廃棄物削減に効果があると期待されている食べ物の種類を分析して分類することで、レストランは在庫を管理し、コストを削減することが可能だ。例えば、朝食ビュッフェを提供するホテルでは、フルーツサラダがどれくらい食べられており、どれくらい無駄になっているかを見積もることができ、フルーツの購入量を減らすことができる。 実際に、サンフランシスコを拠点とするスタートアップMintsscrapsはこの技術を開発しており、レストランの廃棄物を計量して分類するソフトウェアを提供している。IoTを通じた意識改革は消費側と供給側の両方の役に立っている。 関連記事:イノベーションの秘訣は問題へのアプローチの仕方にある

まとめ

サンフランシスコ市のテクノロジーを駆使した取り組みはすでに多方面に渡り、最後の廃棄物20%の埋め立て地からの転用に向けて山場を迎えている。このような廃棄物問題はサンフランシスコだけでなく、他のほとんどの都市でも解決されなければならない問題だ。埋め立てゴミを減らすには行政や市の一方的な努力だけでなく、消費者や企業の意識を変えることも必要である。上記のIoT技術は、廃棄物問題を解決する一つの手段として、世界中で消費者や企業の行動を促すのに役立つだろう。 これからもサンフランシスコとその他都市でのIoT活用方法に注目していきたい。 こちらの記事はNissho Electronic USA様のブログより転載いたしました。

【2018年】ITの最新トレンド10大予測

2017年9月30日~10月5日にフロリダ州オーランドで開催されたGartner Symposium/ITxpo 2017にて、2018年注目のトレンドが発表されました。今回は発表されたTop 10 Strategic Predictions for 2018 and Beyondをもとに今後の注目すべきITトレンドについて解説していきます。

Gartner Symposium/ITxpoとは?

Gartner Symposium/ITxpoは、CIOをはじめとするITリーダーから絶大な信頼と評価を得ている業界最大手IT調査機関、ガートナーが年に一度主催するイベントです。同社トップ・アナリストが毎年、翌年以降のITに関連する将来を展望し、デジタル・ビジネスの実現に向けてITリーダーがなすべき施策を提言します。 参加者数は8000人を超える注目度が高いイベントです。 毎年10月米国で最新情報を発表後、各地域の特性に合わせたイベント開催が行われます。

2018年、ガートナーが予測する米国のITトレンド

ガートナーが予測する米国での10のITトレンドは次のようになっています。 2015年のキーワードは、AI関連やロボット・マシーンラーニングによる「デジタルビジネス時代の到来」、2016年はデジタルビジネスを実現するための「エコシステム推進」でした。2017年は、デジタルビジネス到来によって実現する未来および企業が対応すべき問題を予測しています。この10のトレンドを1つずつ見ていきましょう。

消費者はビジュアル及び音声検索を好む

1.2021年までに、先進企業は音声および視線などビジュアル検索に対応し、デジタルコマースの売上を30%増加させる 昨年の予測では2020年までに音声および視線などビジュアルによる新しい検索方法が全体の30%を占めるとありました。市場では日本でも発売されたAmazon Echo、 Google Homeなど音声検索の躍進が著しいです。新しい検索方法が浸透していく中で、先進企業はいち早く対応して、デジタルコマースの売上を30%増加させると発表しました。

デジタルジャイアンツによる自己ディスラプト

2.2020年までに、デジタルジャイアンツの7社のうち5社が次のリーダーシップをとるために自らのビジネスをディスラプトして再構築する グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、バイドゥ、アリババ、テンセントの7社は、デジタルジャイアンツと呼ばれています。彼らはさらなる成長を求め、チャットボット、音声検索など新しいテクノロジーの活用をいち早く始めています。しかし、7社は企業規模がすでに大きすぎるため、新しいビジネスで市場のリーダーシップをとるためには既存ビジネスモデルを破壊し、作り直す必要があります。アップルがiphoneをリリースしたことを思い出してください。iPhoneはMP3の業界を破壊しました。これによってApple iPodの収益は減少しましたが、iPhoneはナビゲーションシステム、デジタルカメラなどの機能を取り込み大きく成長しました。

拡大する仮想通貨の存在感

3.2020年までに金融業界においてブロックチェーンベースの仮想通貨は10億ドルのビジネス規模になる ガートナーは3つ目のトレンドとして、仮想通貨が金融業界において正式に受け入られると予測しました。この10億ドルという数字は、金融業界の全体ビジネス規模76兆ドルに比べれば、大した価値がないように見えるかもしれません。しかし、ガートナーは仮想通貨が金融業界におけるオプションの1つとして正式に認められたことに価値があるとしています。すでに900以上の仮想通貨の選択肢があり、金融業界のお墨付きが付くことは新たな業界での利用に広がります。また、全エンタープライズの10%が2023年までには、ブロックチェーンテクノロジーを活用して変革を実現すると予測されています。

増加するフェイクニュース

4.2022年までに多くの人は、増大するフェイクニュースによって惑わされる フェイクニュースは近年増えています。人はデータよりも信じたい情報を正しいと判断する傾向があるため、多くの人は増大するフェイクニュース(人が信じやすい、信じたい方向に作られた情報)に惑わされることになるだろうとガートナーは予測しています。こういった情報に惑わされないために企業は情報の信頼性に対してますます注意する必要があります。

「偽の現実」が現実を追い越す

5.2020年までに、AIが自身の作ったCounterfeit reality(偽の現実)もしくはフェイクニュースを見破ることができずに、結果として人々のデジタルへの不安を増長させてしまう 嘘を作ることは、嘘を診断するよりも簡単です。ガートナーはフェイクニュースによって操られたデジタルメディアを「Counterfeit reality 偽の現実」と定義しました。現在、AIは人間の顔の違いを瞬時に診断できるほど進化しています。AIの進化はフェイクニュースの発見に役立っていますが、一方でAIはフェイクニュースを作成する技術にも貢献しています。2020年までは、AIはフェイクニュースを嘘と見破れず、AI自体がデジタル社会への不安を煽ってしまうとガートナーは予測しました。

ボットによる支配

6.2021年までにエンタープライズの50%以上は、従来のモバイルアプリ開発より、ボット及びチャットボットの開発に力を注ぐ 昨年、ガートナーは2020年までに「我々は伴侶よりチャットボットとの会話が増える」と予測しました。サービスのインターフェースがチャットボットとの会話になるため、企業はチャットボットの開発に力を注ぐようになります。アプリケーションをストアからダウンロードすることは一つのオプションにすぎなくなると予測しています。

ジェネラリストがスペシャリストよりも重要に

7.2021年までに、ITスタッフの40%は複数の役割をこなすことを求められる。しかもテクノロジー関連というよりもむしろビジネスよりに 現在ITスタッフの42%が専門職となっています。バイモーダル、デジタルトランスフォーメーションによってビジネスのスピード、変化が激しくなることにより、ITスタッフは複数の役割をこなすことを求められるようになります。

AIは奪う以上に仕事を創り出す

8.2020年には、AIは180万の仕事を人間から奪うが230万もの仕事を創り出す AIは新たな仕事を創り出します。AIが進化することで、従来の人間の仕事に取って代わる部分は確かにありますが、それ以上に新しい仕事を作り出します。最も影響を受ける業界は製造業になると予測されています。

IoTはすべてのモノに

9.2020年までに、IoTは新製品の95%に活用される 現時点で、840億のデバイスがIoT機能を持っています。今後、テクノロジーの進化により、安価にIoT機能を追加できるようになります。セキュリティの課題はありますが、サプライヤーはIoTをどう活用するかを考えていかなくてはいけません。ユーザーがIoT活用製品を積極的に使うのは間違いありません。

懸念されるIoTセキュリティの脆弱性

10.2022年までは、IoT向けセキュリティ予算の半分は、セキュリティを防ぐ本来の目的ではなく、リコール、安全性の問題などに費やされてしまう IoTは市場への浸透が早く製品の成熟が追い付いていません。市場へ浸透していく中で多くのエンタープライズはセキュリティ対策を試みますが、セキュリティ製品もまた完ぺきではないため、本来の目的であるセキュリティの対策でなく、製品自体の不具合に対応せざるをえないと予測しました。 10大予測は以上になります。ガートナーが伝えたいことは、この予測を受けて「あなたは何をしますか?」ということです。別のセッションでありましたが、市場で生き残るためには、最も強くではなく、最も賢くでもなく、環境変化に適応し続けることが必要であるとありました。今後、世の中が大きく変わることは間違いありません。企業成長のために何ができるかをみなさまと一緒に考えていければと思います。 こちらの記事はNissho Electronic USA様のブログより転載いたしました。

スムージーのインターネット(IoS)がやってきた

ふだんは、プレスリリースからの直接の引用は記事中で使わない方針だけど、でもときどき、“NutriBulletはスムージー作りのアートを次のレベルへ上げました”なんてのがあると、えっ!と思って飛びついてしまう。これまで何年も、スムージー作りの未来を待ちわびていた者にとって、その答は明らかだ: スムージーのインターネット(Internet of Smoothies, IoS)だよ。インターネットに接続されたスムージーの夜明けがやってくるとき、あなたはその仲間に加わるか、それとも栄養学的退化に直面するのか。

NutriBulletは、それ自身がコネクテッドではなく、それを操作するアプリがiOS/Androidでインターネットにつながる。そのスマホへの接続は、本体内蔵のBluetoothで行う。そして情報を、ダイレクトにモバイルデバイスに送れる。これは、これまででいちばん馬鹿げたスマートデバイスか? でもない(‘いちばん馬鹿げた’はあまりにもバーが高すぎる)。でも、かなりあほらしいし、完全に不必要なデバイスだ。が、ぼくはなぜか、試してみたくたたまらなかった。

この一人用のブレンダーはセンサーを内蔵していて、食材を検知するから、材料を入れすぎたり、カロリー爆弾を作ってしまうおそれがない。ブレンダーは一般的に、糖類の過食になりやすい機材だ。Jamba Juiceから人類が得た教訓は、グリーンな食材を液状に粉砕したからといって、それが“健康食品”になる保証はない、ということだ。

このNutriBullet Balanceと呼ばれる製品は目下予約受付中で、ホリデイシーズンに定価180ドルで発売される。今Amazonで売ってるさまざまな同社製品の倍以上の価格だから、要注意。しかも、この前ぼくがAmazonで買った30ドルのブレンダーは、毎朝まじめに、ホウレンソウとケールのドリンクを作ってくれる。

その30ドルのブレンダーは、たしかにスマート(電脳)デバイスではないが、安いしよく働く。NutriBulletでは、いろんな情報をスマートフォンに手入力しなければならない。忙しくて野菜をなかなか食べられないわれわれには、それも面倒な作業だ。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Salesforceが新しいIoTの枠組みであるIoT Explorer Editionを発表

誰もがIoTを求めている、そうしない理由もない。もし予測通りに進むなら、2020年までには何十億ものデバイスとセンサーが情報をブロードキャストし、誰かがそれを理解し、重要なデータを私たちに指摘しなければならないSalesforceはそうした会社(少なくともその中の1社)になりたいと考えている。

Salesforceは、これまでも流行りの最新技術に飛びつくことにためらいを見せたことはない。ビッグデータ、人工知能、そしてIoTでもおかまい無しだ。実際Salesforceは、2015年にはSalesforce IoT CloudをDreamforce Conferenceで発表し、IoTについて語っている。これは多くの企業よりも遥かに早い動きだった。

本日(米国時間10月10日)Salesforceは、新しいIoTイニシアチブであるIoT Explorer Editionを発表した。顧客がIoTデータを収集し活用するための仕掛けである。CEOのMarc Benioffが、IoT Cloudを立ち上げた2015年の段階では、同社が大いに将来性があると判断したテクノロジーに関して、とにかく先行することが目的だった。

IoT Explorer Editionは、そのビジョンをより多くのビジネスに広げるためにデザインされている。それはまず最初に、Salesforceが「ローコード(low code)」と呼ぶIoTビジネスワークフロー生成手段を提供する。非技術者は、何らかの自動化ワークフローを作成するために、プロセスの一覧から選択して、複数のデバイスやセンサー同士を接続することができる。

たとえば、風力タービン会社を所有していたとしよう(あり得るシナリオだ)、そしてタービンが保守を必要としている時に、通知を受けられるようにしたいとする。この場合、能力が一定レベルを下回ったときに、通知をトリガするワークフローを作成することができる。

Salesforceらしいところは、こうした情報をただかき集めて配信するだけには止まらないということだ。例えばSalesforce Service Cloudのような、他のSalesforceプロダクトにその情報を結びつけたいと考えている。もしワークフローがサービスコールをトリガーした時には、サービス担当者がこれまでのサービス履歴と、顧客が風力タービンの問題について、今週初めに電話をかけてきた事実にアクセスできることが有益だ。

そして、Salesforceは顧客のサービスコールについて、積極的に手助けをしたいと考えている。もしこのツールを使用して将来を予測し、デバイスがサービスを必要とすることを、ある程度の確実性で知ることができるなら、顧客から電話がかかってくることをただ待っている必要はない。こちらから顧客に連絡して、彼らの設備が故障しようとしていると告げ、新しい設備を売ることもできる。そんなことができるならどんなに素晴らしいことだろう。

新しいIoT Explorer Editionは、Salesforceのさまざまなクラウドへのアドオンとして、10月17日から一般的利用が可能となる。

[ 原文へ ] (翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: CHOMBOSAN/GETTY IMAGES

薬剤のリリースをコントロールして治癒を早めるスマート包帯をMITなどが共同開発

切り傷や擦り傷の治療は通常、包帯や救急絆などを何度か取り替えながら、その都度軟膏などを塗って行う。でも、傷薬(きずぐすり)の要らない包帯があったら、どうだろう?今、ネブラスカ大学リンカーン校とハーバード大学とMITが共同開発しているスマート包帯が、まさにそれなのだ。

従来からよく使われる、消毒綿などの繊維と違って、この傷口保護材は“感熱性のドラッグキャリアを含んだヒドロゲルで電熱ヒーターを包んだ複合繊維”で作られている(右図)。実は、これですべてを言い表しているのだ。

傷口を保護するなどの包帯としての機能は同じだが、そこに切手大のマイクロコントローラーが付いている。アプリやタイマーや織り込まれたセンサーなどによってそのマイクロコントローラーが起動すると、繊維に電気を送って温め、ヒドロゲルの中で寝ていた薬剤を活性化する。

その薬剤は、麻酔剤や抗生剤、あるいは治療を加速する成長ホルモンなど、何でもよい。電圧が高いとより多くの薬剤が活性化し、また、それぞれ薬剤の異なる複数の複合繊維を、ひとつのスマート包帯に使ってもよい。

“これは薬剤の投与量に依存しない治療が可能な初めての傷口保護材である”、とUN-LのAli Tamayolがニューズリリースで言っている。“リリースプロファイルの異なる複数の薬をリリースできる。これはほかのシステムに比べて大きな利点だ”。

チームはジャーナルAdvanced Functional Materialsに発表したペーパーで、動物に適用したときの良好な治癒効果を述べている(人間でのテストはまだこれから)。また、熱が薬剤の効果を妨げないことも、確認している。

ふつうの擦り傷なら普通の包帯や救急絆などの傷口保護材(bandage, 池の向こう岸のお友だち(イギリス人)ならplaster)で十分だが、人が頻繁に世話できない負傷者とか、包帯の頻繁な交換が難しい患部を持つ人には、このシステムが最適だろう。

さらにテストを重ねてFDAの認可が得られたら、今度は繊維とセンサーの統合という課題がある。血糖値やpHなど、治癒過程が分かる測度が包帯から得られれば、それを包帯の上のディスプレイに、プログレスバーで表示できるようになるかもしれない。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Truphoneは調達した3億3900万ドルで負債を返済し、IoTデバイスの接続事業に賭ける

低コストの国際的なモバイル音声通話およびデータプラン通じて名を上げた、ロンドンを拠点とするモバイル企業Truphoneは、通信の未来に突き進むための戦略として、とても大きな一歩を踏み出した。同社は2億5500万ポンド(3億3900万ドル)という巨額の資金を調達し、負債を帳消しにした上で携帯電話にとどまらないデバイス間のデータ接続に賭けようとしている。

この投資は、株主割当発行(rights issue)としておこなわれる。すなわち株式が既存株主に対して特別価格で発行されるのだ。今回のケースでは2つの投資ファーム、MindenとVollin Holdingsがその対象だ。これらはロシアの新興財閥で特にサッカーチームChelseaを所有していることで有名なRoman Abramovichが関係するファームである。本日(米国時間10月2日)のニュースに先立ち、彼らはすでにTruphoneの株式の83%を所有していた。

Truphone CEOのRalph Steffensは、TechCrunchに対して、このラウンドはTruphoneを、3億7000万ポンド(4億9100万ドル)と評価したと語った。これは、Truphoneのこれまでに報告されたラウンドに比べて大きなプレミアムではなく、会社がこれまでに調達した資金よりも遥かに少ない。2013年には Truphoneは3億ポンドの評価で7500万ポンドを調達し、現在までに合計で6億ドル弱を調達している。

Steffensによれば、本日の投資の大部分は、Truphoneの負債を返済し、綺麗な状態で進めるように使われるということだ。

同社は2006年以来営業を続けており(私は同社を「スタートアップ」と呼んでも良い期間は、いささかオーバーしていると思っている)、最後の3〜4年の間にビジネスの拡大に伴い約2億3900万ポンドの負債を抱えることになった、とSteffensは語った。

調達資金の残りの部分は会社の投資に回され、特にIoTビジネスでのさらなる買収に使われる。この領域は、Truphoneが既にある程度の基礎を作り上げているところなのだ。「数日の内には発表できる、戦略的買収を進めているところです」と彼は語った。

インターネットに接続できる新しいスマートデバイスの急増は、そうした接続を提供する新たなスタートアップグループの参入を招いている。Truphoneに加えて、同じ事業分野の他の企業としてはCubic Telecomが挙げられる。同社はAudiとコネクテッドカーで協業し、その成長のための資金調達も行っている。

Steffensによれば、Truphoneは「自動車メーカーとの取引」もしているが(メーカー名を挙げることは拒否)、同社のIoTへの関心はそれをさらに超えているということだ。「 当初は自動車業界に焦点を当てていたのですが、ここ6〜9カ月の間には、他の業界からも大きな商談が持ち込まれています」。

興味深いことに、Truphoneの基本的な技術は、同社のレガシービジネスの根幹であると同時に、これから参入したいと考えているビジネスの根幹でもあるのだ。

Truphoneがユーザーに低価格の音声通話並びにデータプランを提供できていた理由は、複数の国の複数のキャリアからの通信容量を、組み合わせることのできるソフトウェアを持っていたからなのだ。これによって、Truphoneユーザーはある容量を購入するだけで、それを様々な国で追加料金なしで利用することができるようになる。

そしてこれからは、安価な音声通話とデータに対するものと同じフレームワークを使って、それを必要とする任意のデバイスに適用し、新しいホームセキュリティや工場の機械のための通信路を提供することができるのだ。

「私たちは投資家のコミュニティから、正しい方向に進んでいるという点で、高い信頼を寄せて貰っています」とSteffensは、TruphoneがIoTに深く入り込もうとしている点について語った。「高度なソリューションを提供するために、一流企業や優良企業の皆さまたちと密な話し合いをする機会が増えています」。これらは自動車だけでなく、これから市場に登場する、より広い範囲の「スマート」なデバイスに対応する可能性があると彼は語った。

一方、同社の現在のビジネスは、従来のサービスの上で継続していく。

これには、220カ国で現在3500社の企業顧客向けに提供されている、Truphoneの低価格モバイルサービス(ローミングパッケージの明白なターゲット市場)、そして新しいAppleとの戦略的パートナーシップのような活動が含まれている。

TruphoneはAppleのeSimベースハードウェアの接続プロバイダーとして働いている(現段階ではiPadだけが対象となっている)。Steffensは、このパートナーシップのことを、現時点で「フルスピード」で取り組んでいる事業だと表現した。Truphoneは、今年の末までに30の市場で、そして来年には54の市場で、Appleデバイスを用いることができるようにすることが目標だ。

Steffensは、Truphoneは2018年には「高い収益性を達成するでしょう」と付け加えた。「それは英雄的な努力を必要とするものではありませんし、超一流企業との契約が必要となるものでもありません。つまり現在のビジネスの延長線上で達成できるということなのです」。

[ 原文へ ] (翻訳:Sako)
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福岡発AI・IoTスタートアップのスカイディスクが7.4億円を調達、提供分野の拡大と海外展開目指す

AIやIoT を活用したソリューションを提供するスカイディスクは10月3日、ニッセイ・キャピタル、 DG Daiwa Ventures、環境エネルギー投資、山口キャピタル、加賀電子、ドーガンベータ、アーキタイプベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、総額7.4億円を調達したことを明らかにした。

スカイディスクは2013年に福岡で設立。2016年の1月にニッセイ・キャピタル、アーキタイプベンチャーズ、ドーガンが運営するファンドから1億円を調達していて、今回はそれに続く資金調達となる。

センサデバイスからAI分析サービスまでワンストップで提供

スカイディスクの特徴はAI・IoTを現場で導入するのに必要な機能をワンストップで提供していることだ。

具体的にはデータを取得するための「センサデバイス」、そのデータをクラウドに届けるための「通信システム」、取得したデータを蓄積する「データ蓄積クラウド」、貯まったデータを分析するための「AI分析・学習モデル」といった技術やシステムを全て自社で保有。様々な業界の課題に合わせて、IoTとAIを活用したソリューションを提供している。

その1つが先日TechCrunchでも紹介した、スマホのマイク機能を使って取得した「音」により、設備機器の異常診断ができる「スマート聴診棒」だ。

従来は熟練の担当者が機器の発する音をたよりに行っていた異常診断業務。高度な技術や経験が必要になる属人的な業務であり、後世へノウハウを継承することも現場の課題となっていた。

そこでスカイディスクではIoTとAIを活用し、若手の担当者でも対応できる仕組みを構築。ある電力会社のニーズからできあがったシステムだったが、他社でも同様の課題を抱えていることを知り、正式なサービスとしてリリースした。

設備保全分野に限らず、スカイディスクでは農家向けにハウスの気温や湿度などを自動測定できるシステムや、フィットネススタジオ向けに施設内の室温や酸素濃度を感知するシステムなども提供している。

プロダクトアウト型から、マーケットイン型の企業体へ変化

「(2016年1月に)出資を受けてからビジネスサイドのメンバーも増え、プロダクトアウト型の企業体からマーケットイン型へシフトしてきている。顧客のニーズや痛みをAIやIoTでいかに解決していくのか探るアプローチへ変わった結果、スマート聴診棒のようなサービスが生まれた」

そう話すのは、スカイディスク代表取締役CEOの橋本司氏。この1年半ほどで5名だった同社の社員は約25名までに増えた。事業が前進するきっかけになったのは、チーム編成が変わったことに加え顧客の変化もあったからだという。

「以前は『IoTって何?』という顧客が多かったが、今では『AIやIoTを活用してこのような課題を解決できないか?』という声が増えた。問い合わせもIoT推進部のような新設された部署だけでなく、実際に課題を抱えている事業部からいただくように変わってきている。現場の課題が明確なため取り組みやすく、仮に対応できない場合も断りやすい。状況判断のサイクルが早くなり、事業の成長に繋がっている」(橋本氏)

スカイディスク代表取締役CEOの橋本司氏

この1、2年ほどで「AIやIoTの活用に貪欲になった企業が増えてきている」(橋本氏)という実感があるからこそ、さらに多くの顧客に自社の技術を提供できるように資金調達へと踏み切った。今後スカイディスクではAIエンジニアやビジネス開発人員を増やした上で、「提供分野の拡大」と「海外展開」の2つに取り組む。

たとえば現在同社が注力している設備保全分野では、工場やビルの機械装置だけでなく、鉄道やトンネル、橋梁といったインフラにも拡大していきたい考えだ。扱うデータについてもスマート聴診棒のような「音」に加え、「振動・電流」から故障予兆が検知できるサービスを準備し顧客のニーズに応える。

また九州工業大学と介護領域でのIoT活用に関する共同研究をスタート。これまで着手できていなかった分野でもチャレンジを始めていく計画だ。

そしてAIやIoTを活用したサービスを提供できるのは、日本国内の企業だけではない。特に設備保全の問題などは世界でも共通する部分が多いという。橋本氏によると「主にアジア圏で実際に話が出てきている」そうだ。日本で作った事例の海外展開やその逆パターンなど、これから1、2年で国を超えた取り組みも行っていくという。

マグネシウム製の食べられる温度センサーが食品の鮮度を保つ

生鮮食品の温度を輸送時に適温にキープすることは意外と難しいが、スイスの人たちはそれに取り組んでいる。この前彼らは本物の果物の荷の中に混ぜ込むロボットフルーツを発明したが、今度は別のチームが、食品に貼り付ける生分解性の温度センサーを作った。そのセンサーは、食品の出荷地からあなたの口の中胃の中まで旅をする。

食品の現在の温度を目視で、あるいは手作業で確認するのは困難だが、温度をコンスタントにかつワイヤレスでモニタできるなら、時間と労力の大きな節約になる。

これまでもRFIDタグなどを使えばそれはできたが、金属製のタグを誤飲したりしたら、それが毒物である可能性もある。今回ETH Zurich(チューリッヒ工科大学)のGiovanni Salvatoreが考えたのは、人間が安全に消化できる素材を使って、超薄型のセンサーを作ることだ。

彼と彼のチームによるその研究は、Advanced Functional Materials誌に載っている。彼らが作ったセンサーは厚さがわずか16マイクロメートルで(人間の髪の毛の太さは100マイクロメートルぐらい)、マグネシウムでできている。ETH Zurichのニュースリリースによると、マグネシウムは人体の必須栄養素のひとつだ。たしかに、それはそうだ。

酸化シリコンと窒化シリコンも使っているが、こちらも無害だ。そしてチップの全体をコーンとポテトのでんぷんで作った分解性のポリマーが包んでいる。曲げたり伸ばしたりできるし、くしゃくしゃになっても機能は生きている(ただし食べ物自体の状況も確認しよう)。

ケースの中のごく一部のリンゴや魚やバナナなどにこれを貼り付けて、船やトラックに積む。すると冷蔵室の外からでも、食品の温度(気温ではない)を知ることができる。そして、それが行きつくべきところへ行き着けば、あとは体内で分解される。

もちろん、電源やワイヤレスの部位は生分解性ではない。それらは外部にあって、同じく必須栄養素のひとつである亜鉛のケーブルで接続する計画だが、この難問が解決するまでは、まだ完全解ではない。でもセンサー部分が完成しただけでも、すごい。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))