コラボレーション

Microsoftの友好的協業時代は終わりを告げるのか

数年前のこと、SalesforceのユーザーカンファレンスDreamforceのステージ上で、マーク・ベニオフのゲストとして登壇したMicrosoft CEOのサタヤ・ナディラは、彼の会社の新しい友好的協力の時代の幕開けを告げるかのようだった。しかし時は移り、いくつもの証拠から、2015年に華開いた友好な協力関係は終わりを告げそうに見える。そしてそれは対Salesforceに限られた話ではない。

2015年当時、ナディラは、クラウド時代に向けての、大手ブランドとの協業の必要性について熱心に語っていた「それは私たちの責務なのです。特に私たちのようなプラットフォームベンダーは、顧客の抱える本当に困っている問題を解決するために、幅広いパートナーシップを結ぶことが求められているのです」と語っている。

当時の状況の中でこのコメントを振り返れば、これはMicrosoftがお互いに利点のある競合相手と新しい提携関係を結ぶことにオープンな姿勢を取り、そして彼の言う「顧客の抱える本当に困っている問題」を解決することを目指す、強いメッセージのように見える。

基本的にナディラが述べていたのは、クラウドの時代には、顧客がそれを要求するので、これまで以上に共同作業をする必要があることが明らかになった、ということだ。その時でさえナディラは、彼の会社が市場の中で、Salesforceその他の競合と激しく競争する意図を隠すことはなかった――とはいえ、これまでのところは協力だけが先行していたが――しかし彼はMicrosoftが、気さくなパートナーの役割を果すチャンスを見ていたのだ。

これは、ビル・ゲイツやスティーブ・バルマーがのやり方とはまったく対照的なものだった。当時は、顧客を自分たちのコンピューティングアプローチに縛り付けようとして、他の大企業たちとより激しく戦っていた。その世界では、協業は目指すべきゴールではなかった。それこそが、2015年当時ナディラの懐柔的な口調が、驚きと共に迎えられた理由なのだ。

同じことが長年のライバルAppleとの間にも見られた。Appleと何年にもわたって争ったあと、Microsoftは少々やり方を和らげた。おそらくティム・クックが2015年のBoxWorksで聴衆にこう語りかけたときには、パートナーシップを誇らしく思っていたことだろう「AppleとMicrosoftは競合する以上に、より多くのもので協業することができます。それを顧客が望んでいるのです、Mac用Officeがその原動力です。Microsoftとのパートナーシップは私たちの顧客に対して望ましいことであり、それが私たちがそうする理由なのです」このとき、まだ協調精神は栄光に溢れていた。

しかし、2017年までに徐々に明らかになってきたのは、私たちが耳にした筈のメッセージは、実は協業の部分ではなく、Microsoftが市場で激しく競合するという部分だったという事実だった。時とともに、ナディラの下で見られたMicrosoftの軟化した側面が、徐々に硬化しているように思える。トーンは変わり少し厳しいものとなり、彼が私たちに語ったように、競争は激しさを増している。

昨年Microsoftが、HPのCRMビジネスをSalesforceから奪った時、Microsoftのクラウド責任者のScott Guthrieはこの契約を、「Salesforce takeout」(Salesforceはお持ち帰りいただく)と呼んで、競合に勝った喜びを隠そうとはしなかった。突如両者はより激しく競争を始めた、トーンは少々厳しくなり、友好的な語らいと笑顔の時代は終わりを告げた。

先週のDreamforceでは新しい友人であるDiane Greene(Google Cloudの責任者)との提携を発表する一方で、ベニオフはMicrosoftのフラッグシッププロダクトのOfficeに攻撃を加えた。「私たちにはG Suiteを使う3万人の利用者がいて、それはとても長い期間に渡っています。Microsoft Officeから離れることは、おそらく私たちが今までに行った最善の決定の1つです」とベニオフは語った(退屈してる暇はなさそうだ)。

一方先週には、インドでの講演で、ナディラはiPadを使っていた2人のインド人ジャーナリストに向かって、「本物の」コンピューターを使うべきだと言っている。それは冗談めかして言われたものの、明らかにAppleへの攻撃だった。彼の会社のハードウェアが本物のコンピューターならば、Appleは何だろう?おもちゃのコンピューター?その先は想像にお任せしよう。

ここ数年にわたる広告キャンペーンでも、Microsoft Surface Proのようなコンピューターができて、Appleのコンピューターではできないことをあげつらって、Appleを標的にしている。もちろんライバルを標的にするのは広告の常套手段だが、CEO自らそれをするというのはまた別の話だ。

競合他社に対してより厳しい言葉を使い続けているにもかかわらず、Microsoftはは引き続きライバルたちとの協業を模索しており、それがなくなることはない。同時に、Microsoftはナディラの下、オープンソースコミュニティへの重要な貢献者となっていて(例としては、ここここ、そしてここなど)、その動きも変わる様子を見せていない。

まあ、競合する会社たちが、手に手をとってキャンプファイヤーの周りでフォークダンスを踊るとは、誰も思っていないだろう。しかしここ数年の間に明らかにトーンは変わっている。Microsoftとそのテクノロジー業界のライバルたちは、依然として顧客たちのために製品を連携させる方法を模索しているようだが、どうやらその動きにも少々ためらいが見られるようになってきたようだ。

[原文へ] (翻訳:Sako)

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Nvidiaが作った本物のホロデッキで製品デザインや設計のコラボレーションができる

NvidiaのCEO Jensen Huangは以前、同社でいちばんやってみたいのは、本物のホロデッキ(Holodeck)を作ることだ、と言っていた。そして今まさにNvidiaがやってるのが、デザイナーやデベロッパーのための、細密にリアルなVRプラットホームとして、ホロデッキを作ることだ。

名前もまさにNvidia Holodeckであるこのプロジェクトは、このGPUメーカーが作った“インテリジェントな仮想現実プラットホーム”であり、コラボレーションのための仮想環境で、現実世界の物理現象をシミュレートできる。そこでは、超細密なグラフィクスにより、実物大の詳細モデルを作れる。ピカード大佐のそっくりさんを作ることはできないが、デザイナーたちが新製品のプロトタイプを作り、そのデザインを磨いていくために利用する。VRでは結果がはやいから、製品を市場に出すための期間を短縮できるだろう。

このホロデッキでは、AIを利用できる。たとえば一定のエージェントを訓練しておき、デザイナーが作ったデザインを現実の状況に照らして評価させられる。また仮想オペレーターや人間のスタッフがプロトタイプの各部と対話しながら、最終設計へ仕上げていくこともできる。

すでにリリース前のテストでは、NASAのエンジニアや最先端のデザイナーなどから、高い評価を得た。そして今日(米国時間10/10)からはさらなる洗練を目指して、より広い層へ公開される。

コラボレーションのできるVRデザインツール(設計ツール)は、自動車業界でも採用が進んでおり、今は各社がそれらを試行している。もちろん自動車以外の業界でも、デザイン〜設計のコラボレーションを実物大のVRでできるメリットは大きい。そんな最近の動向の中で、グラフィクスとAIという二つの重要な要素に強いNvidiaは、このようなシミュレーター的環境製品でも市場のリーダーになれそうだ。

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[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GitLabがGVのリードするシリーズCで$20Mを調達、ソフトウェア開発〜リリースの総合ソリューションを目指す

デベロッパーのためのコラボレーションとDevOpsのプラットホームGitLabは現在、10万あまりの企業が利用している。同社は今日(米国時間10/9)、GV(元Google Ventures)がリードするシリーズCのラウンドにより2000万ドルを調達したことを発表した。これでGitLabの総調達額は4550万ドルあまりとなる。

新たな資金調達に加えて同社は今日、WordPressの協同ファウンダーMatt Mullenwegが同社の取締役会に加わったことを発表した。

GitLabは、その名が示すように、gitをベースとし、デベロッパーがコードのリポジトリーをセルフホスティングしていくためのオープンソースのツールだ。しかし2014年のローンチ以来同社は、そのほかのDevOps向けサービスをいくつも新設してきた。それらの中にはワークフローツールがいくつかあり、またコードのレビューやリリースを容易にできるためや、アプリケーションのモニタリングのための機能すらある。

そこで同社は、自己のミッションを次のように定義している: “現代のソフトウェアデベロッパーのためのシームレスで総合的なプロダクトを開発し、またKubernetesによるソフトウェア開発のためのアプリケーションになること”。

そう。今やGitLabですら、Kubernetesというゲームに深く関わりたいのだ。

GVのゼネラルパートナーDave Munichielloは、今日の声明文の中で次のように述べている: “Fortune 500社は今、互いに競ってワールドクラスのソフトウェア開発組織を作ろうとしており、またそれらに、世界最大のテクノロジー企業なみのスピードと生産性とクォリティを持たせようとしている。これらの組織は高品質で大規模なコードを作るべく努力しているので、最高クラスのツールとプラットホームを必要とする。GitLabのプラットホームは、コラボレーションとオートメーションを強調することにより開発プロセスを加速する。GitLabのハイブリッドでマルチクラウドのソリューションはデベロッパーに好まれており、その分野で巨大なファン層を形成している”。

GitLabの現在のユーザーには、Ticketmaster, ING, NASDAQ, Sony, Intelなどもいる。

新たな資金の使途について同社は、“ソフトウェアのパッケージングとリリース方式と構成とモニタリングに関して新たな機能性を加えたい”、と言っている。

同社の競合サービスはGitHubやAtlassianのBitBucketなどだが、GitLabによると、セルフホスティング型のgit市場では同社が2/3のシェアを占めるそうだ。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのBrain TeamのAI研究者たちは毎日何をしているのか

GoogleのBrain Teamの連中は、毎日何をしてるだろうか。あなたと同じように、メールチェックに大量の時間を取られているかな。最近のRedditのAMA(Ask Me Anything, 何でも訊(き)いて)で、GoogleのAI研究者11名が、毎日彼らがやってることを述べている。メールはここでも多いが、学術論文を斜め読みするとか、同僚とブレーンストーミングをする、といった高尚な話題もある。

GoogleのBrain Teamは、同社で人工知能を研究している研究グループのひとつだ。グループのリーダーはGoogleのシニアフェローJeff Dean、彼はMapReduceの中心人物の一人だが、ほかにもいろんな実績がある。

Deanの一日の時間は、メールを送る、技術文書に注記する、研究者たちとのミーティング、コードをレビュー、コードを書く、講演やその準備などに費消される。チームのリーダーだから、Brain Teamを売り込む仕事も重要だ。

チームのだれもが例外なく大量の時間を費やすのが、自分の研究やチームの共同研究に関連するペーパーをarXiv読むことだ。チームの研修生Sara Hookerは、朝食、ときには昼食や夕食で、同僚とおしゃべりし、同じ問題でも研究者によって視点や取り組み方が違うことを知るのが、とても好きだそうだ。そして今の最先端の話題に後れないためにも。

これまで自分たちが考えてもみなかったようなAIのアプリケーション体験することも、彼らは好きなようだ。Hookerはその例として、宇宙探検を挙げる。

自分の出身大学の仕事を兼務している者も、何人かいる。NIPS(Neural Information Processing Systems)など、業界の重要なカンファレンスの企画運営に関わっている人もいる。

そして彼らは、自分で手を汚すことが好きだ。それは主に、hugeでmassiveでgiganticでcosmicでcolossalなGPUクラスター上で、徹夜も厭わず大きな実験をすることだ。Jasmine Hsuのように、コンピューターではなくロボットを使えるラッキーな研究者もいる。彼女はソフトウェアのボットではなくリアルなボットの上で、シミュレーションやモデルのテストなどをやって、研究中のアイデアのプロトタイピングをしている。一日中デスクに張り付いていることが好きな人は、あまりいない。

そこの研究者たちが考えることだけに費やしている時間で、ぼくたちならいくつかのことを学ぶことができるだろう。Daniel TarlowとNicolas Le Rouxは二人とも研究者で科学者だが、主な仕事は今やってるプロジェクトの舵取りや、今後のプライオリティの計画だ。彼らは毎日、それに集中している。

〔参考記事: 同グループ前年のAMA

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DropboxのコラボレーションツールPaperがドキュメントのプレビュー機能などを加えてアップデート

大企業を相手に一挙に大量のユーザーを獲得したいDropboxは、そのためにプロダクトのチューンナップを続けている。今日(米国時間8/30)のアップデートではコラボレーションツールPaperに、ドキュメントをプレビューしてからロードする機能などを加えた。

シリコンバレーでデザイナーに話を聞くと、みんなPaperの使いやすさをほめる。プロダクトをデザインし構築する過程を、ネット上の呼吸する生き物のような、情報の流れにしてくれるからだ。この製品のユーザーをだいじにすべきだ、と気づき始めたDropboxは、ユーザーの要望に応えて、徐々徐々にプロダクトのアップデートをするようになった。

今日のアップデートをまとめるとこうなる: (1)モバイルデバイス上にフォルダーを作ってPaperのドキュメントを移動〜保存できる。(2)スマートフォン上でPaperのドキュメントを削除したりアーカイブできる。(3)Paperのドキュメントを開く前にプレビューできる。いずれもささやかなアップデートのようだが、Dropboxはかねてからプロダクトの単純性を頑固に守り、機能満載にはしない主義だから、これだけでもすごいことなのだ。

デベロッパー向けには、彼らのアプリケーションの中でPaperドキュメントの作成編集ができる、という機能、すなわちAPIが提供される。いわばDropboxの外で、Dropboxの機能を使えるようになるのだ。また、アプリケーションがそれらのドキュメントを操作しなければならない場合には、このやり方のほうがずっと便利だ。

このようなコラボレーションツールないしコラボレーションの機能は、そのほかの大型製品にもかねてからあるが、Dropboxのねらいは、多くのユーザーの多様なニーズにいちいち対応して複雑怪奇な製品になってしまうことではなく、むしろ、汎用的で抽象レベルの高い製品を維持するところにある。

いよいよ機が熟したと言われている同社のIPOを成功させるためにも、それは重要なことだ。その際、投資家たちは必然的に、同社をBoxやMicrosoftのような企業と比較すると思われるが、消費者製品を起源とするDropboxが彼らに訴求していくためには、Boxなどにはない独自の姿勢が必要なのだ。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))