エンタープライズ

Facebookが分散ネットワーキング〜ルーティングソフトウェアOpen/Rをオープンソース化

Facebookはこれまでも、内製のさまざまなソフトウェアやハードウェアをオープンソースのコミュニティに寄贈してきた。そして、今日(米国時間11/15)またまた同社がオープンソース化したのは、同社のモジュール構造のネットワークルーティングソフトウェアOpen/Rだ。

Facebookは当然ながら、ネットワークの運用に関してFacebookならではの、ど外れたスケールのニーズを抱えている。何十億ものユーザーがリアルタイムでメッセージングし、絶え間なくコンテンツをストリーミングしている。そのため、独特の問題を数多く抱えるFacebookは、中でもとくに、ネットワークのトラフィックに関して、従来的なプロトコルでは間に合わないのでそれらを使わないルーティング技術が必要、と痛感していた。

Facebookの技術部長Omar Baldonadoは、こう説明する: “Open/Rは、分散ネットワーキングアプリケーションのためのプラットホームだ。それは、ネットワークの、さまざまな部分の上で動く。そしてそのために、これまでのルーティングプロトコルを使わずに、現代のさまざまなネットワークをプログラミングしコントロールする自由度をわれわれに与える”。

それは最初、FacebookのワイヤレスのバックホールネットワークTerragraphのために開発されたが、Facebookのネットワークバックボーンなどそのほかのネットワークでも使えることに、すぐに気づいた。Facebookのネットワーク本体の中でさえも、それは使える。

同社のトラフィックは常時きわめて大きいし、その条件も頻繁に変化している。そんなネットワーク上では、トラフィックをルーティングするための新しい方法が必要だった。“ネットワーク全体にわたるトラフィックの動的な条件を考慮に入れながら、アプリケーションごとに最良の経路を見つけたい(ルーティングしたい)、と思った”、とBaldonadoは語る。

しかし、社内だけでもそれだけの応用性があるのなら、パートナー各社やそのほかのネットワーク運用者、それにハードウェアのメーカーらは、このツールの能力をさらに拡張できるはずだ。このツールでは実際にJuniperやAristaなどのパートナーとすでに協働していたが、完全にオープンソースにすれば、デベロッパーたちが、Facebookが考えもしなかったことをその上に実装していくだろう。というわけでFacebookの技術者たちは、これをオープンソースにすることの将来性と、それがもたらす価値について、前向きに考えるようになった。

Facebookもそうだが、そのほかの大手Web企業も、ネットワーキングのソフトウェアやハードウェアをますます多くオープンソース化し始めている。最初は完全に自分たちのコントロールの下(もと)にソフトウェアを完成させ、そのあと、それをオープンソースにして、ほかの人たちの能力による改良を期待するのだ。

“このツールは、ネットワークの分散化〜非集積化(バラバラ化)という今および近未来のトレンドの一環だと思う。ハードウェアと、その上のソフトウェアの両方をオープンにすれば、それは誰にとっても利益になる”、とBaldonadoは述べている。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

今日のエンタープライズITは複雑多様な要素で構成、その全体的管理に挑戦するLightStepが$29Mを調達

アプリケーションのパフォーマンスを管理するツールを開発したLightStepが、2900万ドルの資金調達を経てついにステルス状態を脱した。

GoogleのエンジニアだったBen Sigelmanが創った同社は、エンタープライズの全域にわたる各種アプリケーションの稼働状況をチェックする一連のソフトウェアツールを開発した。

LightStepの声明文によるとSigelmanはGoogleで、毎秒20億のトランザクションを分析できる分散モニタリングシステムDapperの開発とオペレーションを担当した。また彼は、Cloud Native Computing FoundationのOpenTracingスタンダードの開発にも関与した。

同社の顧客リストすなわち初期からのユーザーにはDigital Ocean, Github, Twilio, Yextといったそうそうたる顔ぶれが名を連ね、それに感銘したSequoiaが最新の2000万ドルの投資に踏み切った。

またそれ以前には、Redpointと最初のシード段階の支援者Cowboy VenturesやHarrison Metalから750万ドルを調達している。

2015年に創業されたLightStepは、企業全体にわたって今生じているトランザクションのすべてをリアルタイムで追跡する能力を誇っている。それらのトランザクションは通常、数ダースものさまざまなサービスが、彼らのAPIで絡み合うことによって遂行されている。

同社のソフトウェアは分散的なアーキテクチャを持ち、データを、Sieglmanらが作ったOpenTracingスタンダードのネイティブな統合からか、または、そのほかのトレーシングコミュニティのオープンソースプロジェクトから取り込む。一点に集中化されているさまざまなアプリケーションやサービスのデータロギングや、またEnvoy, linkerd, haproxyといったメッシュ技術やロードバランサーからのデータも、モニタリングと分析の対象になる。

同社の統計エンジンが異状を見つけると、データフローのリプレイ、記録、そしてエンドツーエンドのトレースが行われる。それによって、それらのデータに触っているさまざまなサービスにまたがるコンテキストが提供され、問題の所在を突き止めることができる。

同社Enterprise Strategy GroupのアナリストDaniel Condeは、声明文の中でこう述べている: “今日のエンタープライズが日々実際に運用しているアプリケーション(‘プロダクションアプリケーション’)は、一つの鋳型で作られてはいない。マイクロサービスの集合があるかと思えば、モノリシックなアプリケーションもある。そしてデプロイメントは、ベアメタルのサービスとハイブリッドクラウドのプラットホームが混在している。これだけ多様なものが共存して互いに統合し合うことが、今日のエンタープライズのニーズであり、したがって現代のアプリケーションパフォーマンスモニタリングは、これらさまざまなモデルのすべてから、エンタープライズ全体にわたるデータを集めてくる必要性がある”。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

OpenStack FoundationがOpenStack以外のオープンソースプロジェクトもホストする方向へ

【抄訳】 最近の数年間で、Cloud Native Compute FoundationやCloud Foundry Foundationなど、オープンソース関連の団体がいくつか立ち上げられた。これらの多くはLinux Foundationの一員になっているが、その仲間に加わっていない大きなオープンソース団体のひとつが、OpenStack Foundationだ。ここは、少なくともこれまでは、クラウドコンピューティングプラットホームOpenStackの開発にフォーカスしてきた。

しかし、時代は変わりつつある。隔年で開催されるOpenStack Summitの最後の数日につき合ってみて明らかに感じたのは、OpenStack FoundationがOpenStackプラットホーム以外のものにも目を向け始めていて、将来この組織はLinux Foundationに似たものになるのではないか、という感触だ。ただしそのビジョンはもっとシンプルで、現在の関心に沿ったオープンなインフラストラクチャにフォーカスするだろうが、それらは必ずしもOpenStackプラットホームの一部である必要はなく、プロジェクトも今のガイドラインに縛られないものになるだろう。

OSFのこの多様化路線がうまくいけば、Linux FoundationやApache Foundationなどと並ぶ、大きくて総合的なオープンソース団体がもう一つでき、彼らのOpenStack関連の知識と経験がコミュニティをサポートしていくことになって、オープンソースのコミュニティに変動をもたらすだろう。またOpenStack Foundationが従来ならLinux Foundationに行ったようなプロジェクトもホストするようになると、二者間に興味深い競合関係が生ずるかもしれない。

その初期からOpenStackを採用しているMirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiによると、OSFのこの新しい動きを引っ張るにふさわしい人物は、CTOのMark Collierと事務局長のJonathan Bryce、そしてマーケティングとコミュニティサービス担当のVP Lauren Sellだ。Renskiの見解では、OSFが多様なプロジェクトを手がけていくのは良いことであり、OpenStackが安定期に入りつつある現在は、新しいことに取り組む時期としても適している、と。

では、OSFが今後新たにフォーカスしていくべきテーマは、なんだろうか? Bryceによると、今計画に上(のぼ)っているのは、データセンターのクラウドインフラストラクチャ、コンテナのためのインフラストラクチャ、エッジコンピューティング(Collierがとくに関心を持っている)、継続的インテグレーション/継続的デリバリ、そして可能性としては機械学習とAIの分野だ。

Linux Foundationが主にLinuxユーザーの便宜のためにさまざまなプロジェクトを傘下に収めてきたのと同様、OSFも主にOpenStackでメインのシステムを構築しているユーザーの便宜を図っていく。だから団体の名称はOpenStack Foundationのままでよい、とBryceらは考えている。

【後略】

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

総合的なデータプロビジョニングサービスElasticがSwiftypeを買収してサイト検索を強化

Swiftypeは、本誌がそれについて書いているだけでなく、そのサイト内検索技術を実際に使っている。今度同社は、オープンソースのElasticsearchを作っているElasticに買収されることになった。

それで分かったきたのは、両社がすでに良い仲だったことだ。Swiftypeは、検索するコンテンツのインデクシングと保存にElasticsearchを使っている。実はSwiftypeのCTO Quin HoxieがElasticのCEO Shay Banon(上図)のことを初めて聞いたときには、“あのすごい量のソフトウェアを書いたという伝説のデベロッパーが実在する一人の人間だったのか”、と思ったそうだ。

HoxieとBanon両人によると、買収によってSwiftypeの方向性が大きく変わることはない。Hoxieによると今回の決定は、これまでの路線の延長にすぎず、組織を大きくすることによって技術力だけでなく、経営にも好影響がある、という。

実際には、Swiftypeがやや変わる。まず、導入期のユーザーは料金が月額79ドルになる。また合同チームにより、ElasticのElastic StackとX-PackがSwiftypeのEnterprise Searchに統合される。それにより企業ユーザーは、DropboxやG Suiteなどの全サービスに対する検索ができるようになる。

一方Banonによると、Elasticは以前Opbeatを買収したが、そのときと同じように、買収したチームの自立性を尊重する。“余計な介入をしたくない。コラボレーションでも何でも、自然発生的なのが良い”。

今回の買収に関しては、Banonによれば、エンドユーザーのユーザー体験の部分をこれまでよりも良くしたかった。とくにサイト内検索に関しては、Swiftypeが作ったものが、この界隈で最良のユーザー体験だ、とBanonは言う。

振り出しに戻って円が完成するのは良いことだ、と彼は言う。Elasticという円のスタート地点はサイトとアプリケーションの検索だったが、その後ロギングやアナリティクスなどにも手を伸ばしていった。そして今回の買収で、初心の検索に回帰したのだ。

買収の金額等は、公表されていない。Swiftypeは前に、2200万ドルあまりをY Combinator, New Enterprise Associatesなどから調達している。顧客には、AT&T, Dr. Pepper, Hubspotなどがいる。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Clond Platformはエンタープライズに専用オンランプとしてのインターコネクトを提供

Googleは9月に、Google Cloudのエンタープライズユーザーのための専用インターコネクトローンチした。Google Cloud Platformへのこのような直接接続は、企業にGoogle Cloudへのプライベートなオンランプを与え、それは自社のデータセンターと、Googleのデータセンターで動くアプリケーションを組み合わせるときとくに重要だ。今日(米国時間10/31)その専用インターコネクトがベータを脱して、いくつかの新しい機能を獲得した。

企業はGoogleのクラウドに接続するために、GoogleがサポートしているコロケーションファシリティからGoogleのネットワークにつながる。Googleが先月ベータを発表したときは、そういうロケーションが35あった。今日のアップデートで、さらに4箇所(アトランタ、ムンバイ、ミュンヘン、モントリオール)が加わった。〔参考

並行して重要なのは、GoogleがグローバルなデータセンタープロバイダーEquinixとパートナーしたことだろう。それは、“専用インターコネクト(Dedicated Interconnect)へのアクセスをグローバルな複数のマーケットに提供するため”、とされている。このパートナーシップの詳細は不明だが、これによりGoogleのインターコネクトのリーチが現在のロケーションを超えて拡大するだろう。ただしこのサービスはすでに、Equinixのデータセンターの相当多数をサポートしている。

このDedicated Interconnectには、新たなロケーションに加えてCloud Router Global Routing(専用ルーティング)のサポートがある。これにより企業は、自分のデータセンターをGoogle Cloud Platformにつないで、その世界中のさまざまなリージョンにある自社のサブネットのすべてに、このインターコネクトから容易にアクセスできる。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Cloud Native Computing Foundationに署名方式の強力なセキュリティプロジェクトNotaryとTUFが加わる

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は、コンテナオーケストレーションツールKubernetesのホームとして知られているが、そのほかにもさまざまなオープンソースプロジェクトが身を寄せている。どれも、現代的なクラウドネイティブ関連のツールで、GoogleやMicrosoft、Facebookなどをはじめ、各社において、今ではそれらの利用が日常化している。

今日(米国時間10/23)はCNCFの厩(うまや)に、Docker生まれの2頭、NotaryThe Update Framework(TUF)が入った。その最初の開発者はニューヨーク州立大学のJustin Cappos教授と、そのTandonエンジニアリングスクールのチームだ。二つは互いに関連していて、どんなコンテンツにも保護と安心の層を加えるNotaryは、TUFの実装なのだ。

これらの背後にある基本的な考え方は、単純にTLSプロトコルを使ってWebサーバーとクライアント間のコミュニケーションを保護するのでは不十分、サーバー自身がハックされることもある、という認識だ。たとえば、Dockerのコンテナを配布して、それらが安全であると保証したいなら、Notary/TUFのクライアント/サーバアプリケーションがメタデータの署名を扱うことによって、さらなる安心の層を加えるのだ。

“デベロッパーのワークフローの中で、セキュリティは後知恵になりがちだ。しかしそれでも、 デプロイされるコードはOSからアプリケーションに至るまですべての部分が署名されていなければならない。Notaryは強力な安心保証を確立して、ワークフローの過程中に悪質なコンテンツが注入されることを防ぐ”、とDockerのシニアソフトウェアエンジニアDavid Lawrenceは語る。“Notaryはコンテナの分野で広く使われている実装だ。それがCNCFに加わることによって、さらに広く採用され、さまざまな新しいユースケースが登場してきてほしい”。

たとえばDockerはこれを使って、そのDocker Content Trustシステムを実装しているし、LinuxKitはカーネルとシステムパッケージの配布に利用している。自動車業界も、TUFの別の実装であるUptane使って、車載コードの安全を図っている。

Notary/TUFについて詳しく知りたい方には、Dockerのドキュメンテーションが勉強の入り口として最適だろう。

“NotaryとTUFの仕様は、コンテンツのデリバリに関する、信頼性の高いクロスプラットホームなソリューションを提供することによって、コンテナを利用するエンタープライズの重要な課題に対応している”、とCNCFのCOO Chris Aniszczykが今日の発表声明に書いている。“これらのプロジェクトが一体的なコントリビューションとしてCNCFに加わることは、とても嬉しい。今後、これらを軸としてさまざまなコミュニティが育っていくことを、期待したい”。

Docker Platform(EnterpriseとCommunityの両エディション)や、Moby Project, Huawei, Motorola Solutions, VMWare, LinuxKit, Quay, KubernetesなどはすべてすでにNotary/TUFを統合しているから、CNCFのそのほかのツールとの相性の良いプロジェクトであることも確実だ。

NotaryとTUFが加わったことによって、CNCFを実家とするプロジェクトは計14になる。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MicrosoftのAzure Container Serviceの頭字語がACSからAKSに変わった、そのココロは?

コンテナのオーケストレーションに関してはKubernetesが急速にデファクトスタンダードになりつつあり、Docker SwarmやデータセンターOS(DC/OS)を自称するMesos/Mesosphereなどは今や、なんとか自分なりのニッチを見つけようと努力している。そんな中でMicrosoftは長きにわたって、同社のマネージドAzure Container Service(ACS)のアドバンテージのひとつは複数のオーケストレーションツールをサポートすることだ、と主張してきた。しかし今日(米国時間10/24)からは、それがすこし変わるようだ。Azure Container Serviceの頭字語が、なんと、“AKS”になるのだ。

お察しのとおり、この唐突な“K”はKubernetesであり、Microsoftは明らかにそのサービスをこのオーケストレーションツールに向かわせようとしている。サービスの正式名は変わらないのに。

Azureに、マネージドなKubernetesが加わるこのAKSは、目下プレビューだ。

AKSでMicrosoftは、そのフォーカスの中心にKubernetesを置く。Azureのコンテナ対応主席PM Gabe Monroyによると、コンテナサービスは至近の6か月で300%成長し、そしてその顧客は、同社の現在のKubernetesサポートを“とても気に入っている”、という。他の類似サービスと同様にAzureも、Kubernetes環境の管理と運用をできるかぎり容易にしているのだ。

なお、AKSそのものは無料だが、コンテナを動かすためには当然、AzureのVMを有料で使わなければならない。これに対しGoogle Container Engineは、そのサービスの使用時間とクラスター数に応じて課金される。

Microsoftが強調するのは、今でもDocker EnterpriseやMesosphereのDC/OSへの関心が存続していることと、既存のACSデプロイメントエンジンのサポートは今後も続けることだ。Monroyは今日の発表声明でこう述べている: “Azureの顧客でもあるこれらの顧客のニーズに対応するために、DockerMesosphereのエンタープライズ製品の統合は弊社のAzure Marketplaceにおいて、さらに強化していく。Azure MarketplaceはACSと同様の容易なデプロイメントを提供し、またエンタープライズエディションへの容易なインプレースアップグレード(稼働時アップグレード)を提供していく。それはまた、付加価値としての商用機能と24×7のサポートを提供する”。

この春Microsoftは、KubernetesにフォーカスするコンテナプラットホームDeisを買収した。また同社は最近、オープンソースソフトウェアとしてのKubernetesの‘実家’Cloud Native Computing Foundationに加盟した。Kubernetesの共同制作者の一人Brendan Burnsは、今ではAzureのコンテナ関連サービスのトップだ。こういった最近の動きはすべて、同社がますます強力に、このオープンソースのプロジェクトを支持するようになったことの現れ、と見なさざるをえない。

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Atlassianは絶好調、IPOから2年足らずで時価総額は50%増、決算報告で株価急上昇

2015年の終わりに行われたAtlassianの上場は、やや変則的だった: 同社の良好な数字は、すでに利益が出ていることを示していた。

そのIPOから約2年、同社の時価総額はほぼ90億ドルだ。IPOの初日には32%急伸し、時価総額は58億ドルだった。この増大の原因は、今年のここまでの異常な…65%の…株価上昇だ。絶好調の四半期決算報告のあとの今日も株価の上昇は続き、ウォール街の予想を大きく上回った。

決算報告のあとの12%のジャンプには、2017年全般の好調も貢献している。今年の株価の推移は、こんな感じだ:

Atlassianを取り巻く状況は、こうだ: Slackがシリコンバレーで大もてしている間、AtlassianはSlackの競合製品をも含むコラボレーションプロダクトのポートフォリオを提供した。そのStrideと呼ばれる製品は9月にローンチしたが、Atlassianのコラボレーションへの取り組みは、それよりもさらに多面的だ。同社は今年の1月にはTrelloを買収した

Atlassianのプロダクティビティツールのスイートには、プロジェクトマネージャーJIRAや、開発コラボレーションツールBitbucket、そしてStrideがある。そのいずれにも、複数の競合製品(主にスタートアップの)があるが、彼らに市場機会を露出しているのはAtlassian自身だ。その決算報告は少々の赤字だったが、ウォール街は同社の戦略が今のところは有効、と確信している。

今日の決算報告の要旨は、こうだ:

  • 売上: 1億9380万ドル。アナリスト予想は1億8580万ドル。
  • 利益(調整後): 一株あたり12セント、アナリスト予想は9セント。
  • 総顧客数: 10万7746(アクティブ会員またはメンテナンス合意ベース)
  • 純新規顧客数: 4246
  • Q2の売上予想: 2億30万ドルから2億50万ドル。
  • Q2の利益予想(調整後): 一株あたり12セント
  • 2018年の年商予想: 8億4100万ドルから8億4700万ドル

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MongoDBのIPO価格は一株あたり24ドルで当初予想を上回る、赤字企業に市場の期待大

MongoDBが上場に向かう最後のステップを終了し、そのIPOに24ドルの値をつけ、それにより1億9200万ドルを調達した。

公開市場にデビューするのは明日(米国時間10/19)だが、そこでもまた、同社のオープンソースソフトウェアをベースとするビジネスの真価を問われることになる。MongoDBが提供するオープンソースのデータベースソフトウェアは、これから離陸を目指す初期段階のスタートアップたちにとくに人気があり、同社は高度なツールを提供することによって彼ら(および大企業の顧客)を有料顧客に変換する努力を重ねてきた。それは、この前上場したClouderaとは異なる状況だ。

同社は今、800万株を売っているが、引受人にはさらに120万株を買えるオプションがある。その追加分を含めると、MongoDBは2億2080万ドルを調達するかもしれない。一株あたり24ドルでは、同社の時価総額は約12億ドルになる。

同社は成長しているように見えて、その損失も着実に増えており、確かに同社は大量のキャッシュを燃やしている。約12億ドルの時価総額になるのも、おそらくそのせいだ。MongoDBは、ある時点では16億ドルの時価総額まで行けそうだったが、MongoDBのようなマーケットの問題児はウォール街にとって明らかに売りづらい。しかしそれでも、同社のIPO価格は当初予想された20-22ドルより高い。つまり、市場の関心が高い、ということ。

このところの、同社の財務状況はこうだ:

最終的にはこれは、スタートアップのさらなる大型IPOを期待していたニューヨークのテクノロジー界隈にとって、快挙になるかもしれない。時価総額は安めになったが、MongoDBはいわゆる“IPOの狭き窓”に疑問符がつきかけていたこの時期に、ドアの外へ出ることに成功した。このIPOはSequoia CapitalやFlybridge Capital、それにもちろんニューヨークのKevin Ryanにとって、たぶん大勝利となるだろう。

どのIPOでも資金調達が目標だが、でもできるだけ多くの資金を確実に得ることと、初日の“ポップ”(急騰)を許容することとのあいだには、微妙なバランスがある。投資家や社員たちのために流動化イベントを立ち上げて、これから強力な上場企業になるぞ、という姿勢を示すのは一種のショーでもある。MongoDBが公式に上場を申請したのは、9月だった

[原文へ] (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

東芝の半導体事業売却、2兆円でBainと合意――コンソーシアムにはAppleも参加、WDは反発

東芝はパソコンやスマートフォンに大量に使われているNANDメモリーの供給者として世界第2位だ。東芝はその将来を決定する重要な要素である半導体チップ事業をめぐる長い物語が終わらせるために大きな一歩を踏み出した。東芝はチップ事業を2兆円(約180億ドル)で売却することでBain Capitalをリーダーとするコンソーシアムと正式に合意した(リンク先はPDF)。 このグループにはAppleも加わっている。

今月初め、東芝の取締役会はアメリカの有力投資ファンドKKR(Kohlberg Kravis Roberts)と日本の公的ファンド2社による買収提案を拒否し、Bainグループを売却先とする基本路線が決定されていた。 今回東芝の取締役会は正式に契約締結に合意した。

Toshibaは原子力関連事業を展開していたWestinghouse事業部が破産したことによる巨額の損失をカバーするため、TMC(Toshiba Memory Corporation 東芝メモリ株式会社)の売却先を熱心に探してきた。損失の穴埋めができない場合、来年、東芝は東京証券取引所への上場を廃止されるおそれがあったからだ。

今回の決定は単に東芝にとってばかりでなく、広くテクノロジー業界一般にとって大きな意味がある。AppleはライバルのSamsungが東芝を巡る問題から利益を得ることを恐れていた。Samsungは世界のシェア40%を占め、メモリーチップでは世界最大の企業となっている。AppleはSamsungの市場支配を許さないために巨額の資金を用意した。報道によればBainはAppleに70億ドルの出資を求めたという。

TMCの売却自体は早くも今年の1月には話題となっていた。しかしGoogle、Amazon、Foxconnなどの有名企業を含む多数の応札者が現れたため、決定にはかなりの時間がかかることとなった。

東芝はBain Capitalをリーダーとするコンソーシアム、PangeaにTMCを売却するが、TMCは東芝の子会社として事業運営を続けることとなる。PangeaコンソーシアムにはBainに加えて、日本の光学機器メーカーHoya、韓国系半導体メーカーのSK Hynix、アメリカからはApple、Kingston、Seagate、Dellがそれぞれ出資する。

東芝本体も3505億円(31億ドル)を再投資する。Bain Capitalが2120億円(18億ドル)、Hoyaが270億円(2億4000万ドル)、SK Hynixが3950億円(35億ドル)、アメリカ企業が合計で4155億円(37億ドル)をそれぞれ出資する。〔PDFによればコンソーシアムはこのほか6000億円を銀行等から借り入れる〕。

コンソーシアムは東芝とHoyaに50%を超える議決権を与えることで合意した。これは日本政府による規制をクリアするための対策だ。また韓国の半導体企業であるSK HynixはTMCの競争力に影響を与える各種知財へのアクセスをファイアウォールで遮断されることになる。

ただし、東芝とコンソーシアムの間で正式な合意がなされたものの、これで売却が決着したわけではない。

まず日本の独占禁止法、証券取引法に基づく承認を得る必要があるし、東芝とWD(Western Digital)の間では訴訟が続いている。

グループのSanDisk事業部を通じてTMCと提携関係にあったWDは、ライバルの半導体メーカーおよびクライアント企業がTMCを所有することはWDの「競争力に悪影響を及ぼす」としている。当初WDはTMC事業の売却に対する拒否権を要求した。後にKKRと組んでTMCの買収を提案したが、不成功に終わっている。東芝とWDはNANDメモリーを製造する3つ合弁事業の処理を巡って法的な争いを続けているが、コンソーシアム側では(法的決着が)「どうであろうと買収は続行される」としている。

東芝では2018年3月までに買収が完了することを望んでいる。これは日本では4月から新事業年度が始まるからだ。東芝としては東京証券取引所から上場廃止の処分を受ける可能性はできる限り排除したいということだろう。

画像: Wiennat Mongkulmann/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+